【決算ウォッチ】業績堅調×増配予想×優待銘柄(TAKARA&COMPANY)

6月

こんにちは、houriです。

投資歴5年目。趣味は高配当株投資のアラサー会社員です。

2023年3月31日(金)に、保有株のTAKARA&COMPANY(7921)が決算を発表しました。

TAKARA&COMPANYは、上場企業向けの決算対応資料や株主総会資料の作成支援を行うディスクロージャー事業の大手です。

ディスクロージャー事業とは
ディスクロージャーは「情報公開」のこと。特にビジネスの文脈で使用される場合は、投資家や債権者、取引先等に対して行う企業内容の開示制度を意味します。
ディスクロージャー事業には、株主総会の招集通知など、会社法等の法律によるものの他に、有価証券報告書・四半期報告書のような金融商品取引所の規制に基づくもの、株主通信や統合報告書といった企業IRに関するものなどが存在します。

TAKARA&COMPANYは、取引先の多くが3月決算を採用していることもあるのでしょうが、5月決算を採用する珍しい企業です。そのため、今回発表されたのは「2023年5月期 第3四半期決算」です。

この記事は、私が企業の決算資料や各種報告書を読んだ結果、「決算の要点」と感じた部分について、搔い摘んで記載する記事です。

特に、日頃「決算資料を読みたいのに時間がない」「決算資料が良くわからない」と思っている方は、最後まで流し読みするだけでも参考になると思いますので、是非最後までご覧ください。

TAKARA&COMPANYについて

会社概要

出典:TAKARA&COMPANYHP IR資料/情報 「2023年5月期 第3四半期 決算短信補足資料」

会社の沿革については以下のようになっています。

創業以来、ディスクロージャー事業を中心に会社を発展させていますが、2019年以降は、翻訳・通訳事業にも事業領域を拡大しています。

2022年には創業70周年を迎え、記念配当が出されました。

出典:TAKARA&COMPANYHP IR資料/情報 「2023年5月期 第3四半期 決算短信補足資料」

売上高・営業利益・純利益

2023年5月期 第3四半期累計

2023年5月期 第3四半期累計では、売上高・営業利益・親会社株主に帰属する四半期純利益いずれも前年同期比でプラスとなっており、業績好調な様子です。

また、総資本に占める自己資本(つまり、他人に返さなくてよいお金の割合)を表す「自己資本比率」が79.4%と高く、会社経営の安定性が高いこともわかります。

出典:TAKARA&COMPANYHP IR資料/情報 「2023年5月期 第3四半期 決算短信補足資料」

過去5年間の業績推移

過去5年間を俯瞰でみても、売上高・営業利益・経常利益・親会社に帰属する四半期純利益、いずれも右肩上がりに成長していることがわかります。

今後の成長にもますます期待が持てそうです。

出典:TAKARA&COMPANYHP IR資料/情報 「2023年5月期 第3四半期 決算短信補足資料」

セグメント

セグメントとは、会社が営む事業の単位のことで、決算報告書などでは、セグメント別に売上高や営業利益が示されるのが一般的です。

会社の沿革でも確認した通り、TAKARA&COMPANYは「ディスクロージャー関連事業」と「通訳・翻訳事業」という大きく2つの事業を営んでいます。

売上高に占めるセグメント割合は、「ディスクロージャー関連事業」が約70%、「通訳・翻訳事業」が約30%ですが、「通訳・翻訳事業」は前年同期比で売上が約19%増加、利益はなんと2.3倍に増加となっており、今後はこちらの事業がTAKARA&COMPANYの業績を押し上げていくのかもしれません。

出典:TAKARA&COMPANYHP IR資料/情報 「2023年5月期 第3四半期 決算短信補足資料」
出典:TAKARA&COMPANYHP IR資料/情報 「2023年5月期 第3四半期 決算短信補足資料」

今後の展開

TAKARA&COMPANYが注力している事業の1つ目は、統合型ビジネスレポートシステム「WizLabo」です。

「WizLabo」については、「統合報告書2022」での社長インタビュー(トップコミットメント)においても、「金融商品取引法関連製品の新たな成長ドライバー」と言及されていたほか、今回の決算説明資料でも、導入数の増加が継続していることが示されています。

このシステムが、今後、ディスクロージャー事業の利益向上に寄与してくれることでしょう。

出典:TAKARA&COMPANYHP IR資料/情報 「2023年5月期 第3四半期 決算短信補足資料」

TAKARA&COMPANYが注力している事業の2つ目は、ESG関連サービスです。

ESG・SDGs・TCFDなど環境問題に対応した事業についての企業ニーズに応え、統合報告書の作成IR関連商材の翻訳などで利益を伸ばしています。

これら環境問題への対応については、これからもますます関心が高まる分野だと思いますし、比例して企業ニーズも増えていくものと予想されますので、TAKARA&COMPANYには追い風になるのではないでしょうか。

出典:TAKARA&COMPANYHP IR資料/情報 「2023年5月期 第3四半期 決算短信補足資料」

株主還元

さて次は、気になる株主還元について見ていきましょう。

配当方針・配当金

決算説明会資料では、配当方針については「安定配当」、配当性向については「40~50%」と示されており、2023年5月期は、中間配当・期末配当ともに35円の「年間70円」、前期に比べ12円増配予想となっています。

ただ、TAKARA&COMPANYのHPには、「配当金」について「安定配当金+業績連動配当金」との記載もありますので、(過度な期待は良くないとは思いますが)何かしらの特別利益が出た際には、安定配当部分に加えて、追加還元も期待できるかもしれません。

出典:TAKARA&COMPANYHP IR資料/情報 「2023年5月期 第3四半期 決算短信補足資料」
出典:TAKARA&COMPANYHP 投資家の皆様へ 「配当金・配当政策」

株主優待

さらに嬉しいことに、TAKARA&COMPANYは株主優待も実施しています。

100株保有の場合、3年未満保有で1,500円分(3年以上保有で2,000円相当にグレードアップ)の商品がもらえます。

出典:TAKARA&COMPANYHP 投資家の皆様へ 「株主優待制度」(2022年5月期の例)

競合他社

ニッチな事業を営む会社への投資にあたっては、競合他社についても気になるところ。

ディスクロージャー事業でTAKARA&COMPANYと並ぶ企業としては、「プロネクサス(7893)」があります。

プロネクサスは、1930年12月に証券の印刷を専門とする会社(当時は亜細亜商会)として創業、現在では、日本の上場企業の約6割から定期受注を受けています。

そのシェアは、有価証券報告書55%・株主招集通知53%を確保(2021年3月時点)するなど、TAKARA&COMPANYとシェアを2分している企業です。

両社の2023年5月期 第3四半期累計の業績を比較すると以下の通りで、売上高ではプロネクサスが勝るものの、利益面ではTAKARA&COMPANYが上回っている状況です。

(単位:百万円)TAKARA&COMPANYプロネクサス
売上高19,65821,232
営業利益2,5362,481
経常利益2,6872,580
親会社株主に帰属する
四半期純利益
1,7241,748
自己資本比率79.4%68.9%

まとめ

TAKARA&COMPANYは、以下のような企業であることが分かりました。

 ・業績堅調(ニッチな業界で、競合他社に利益面で勝る)
 ・新規事業開拓に積極的(通訳・翻訳事業)
 ・安定配当方針であり今期12円の増配
 ・株主優待あり

はい、日本でも上位の優良企業ですね。

ちなみに、株価も長期視点では緩やかな右肩上がりです。
仮にこれから、市場全体が大きく下げるような場面が来るような場面があれば、個人的には買い増しもアリだと思っています。

※日々の株価の値動きについては、毎営業日に更新している「個人的ウォッチリスト75」でもウォッチリスト入りしていますので、そちらもご覧ください。

出典:TAKARA&COMPANYHP IR資料/情報 「2023年5月期 第3四半期 決算短信補足資料」

この記事が皆さんの銘柄検討の参考になれば嬉しいです。

それでは今後も良い株ライフを!

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